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ハワイ島のハイキング/キラウエア イキ トレイル

■難易度 ★ ★ ★ ☆ ☆
■一周 6.4km
■所要時間 通常 2時間30分
 ※参考 3歳連れ 5.5時間、7歳連れ3時間
■幼児連れハイキング ○ 下記参照
■出発地点
ハワイ火山国立公園内(キラウエア火山)。キラウエア・イキ展望台か、サーストン・ラバ・チューブの駐車場からスタート。



火口の中で咲く真っ赤なオヒアレフア

ハワイ火山国立公園(キラウエア火山)にあるキラウエア・イキ・トレイルは、火山の大きさや鼓動を間近で感じることができる大好きなコースです。国立公園内の数あるトレイルの中でも一番人気のトレイルで、沢山の人が歩かれています。前半部分ではトレイルランニングしている方もよく見かけました。道はしっかりしていて歩きやすく、標識の整備もされているので安心です。クレーター・リム・トレイルと併せると、ぐるっと1周歩くことができます。

前半は火口を見下ろすようにして、植物が多く自生する林の中を歩きます。後半からは火口に下って広大な溶岩の上を歩きます。ここからの道のりも、普段経験出来ないような非日常的な空間を味わえるということでまた楽しいところ。右手にはプウ・プアイと呼ばれる小高い噴石丘があり、荒々しい姿は火山の爆発の威力を物語っているかのようです。溶岩の上ではケルン(溶岩を積み上げたもの)がコースの目印になるので、それに従って進みます。所々蒸気が上がっている所を目の当たりにすると、未だ活動中であるということに気づかされますね。
キラウエア・イキ火口を見下ろす景色、キラウエア・カルデラの風景、雄大なマウナロアの姿など、実に様々な素晴らしい景色を見ることが出来る、ハワイ島ならではのお勧めコースです。


子供と一緒に歩く

3歳8ヶ月の子供と歩きました。1周6.4kmは距離的に長かったので歩けるかどうか正直言って不安がありましたが、無事に完歩してくれました。子供が歩くペースに合わせ、興味を持ったことには十分付き合ったり、休憩やおやつタイムなどお楽しみを充分作れたことも良かったと思います。
大人のペースで歩いた場合、通常は2時間半。小さな子供と一緒に歩いた場合は距離が長ければ長いほど予想がつけにくいですが、我が家ではだいたい大人が歩く時間の2倍ぐらいを目安にしています。この日は、1日かけて歩くつもりで出かけました。暗くならないうちに戻れるように、時間的余裕を持ってお出かけくださいね。飲み物、食べ物、日焼け止め、帽子、トレイル地図(国立公園の入口ゲートで、料金を払うと渡される地図が使いやすい)などが必要です。この日は晴れていたのですが、ボルケーノは天候が変わりやすいので雨具も持って行きました。

トレイルでは怪我の予防のために長いズボンを履くことをお勧めします。小さなお子さんには長袖もあると安心(天気が悪いと寒いこともあるので、そんな時にも使えます)。整備されていて歩きやすい所がほとんどですが、溶岩がゴロゴロしていたりして足場がよくない箇所もあり、急な下り坂が何箇所かあります。
また、火口の溶岩の上で転ぶと大怪我になりかねません。滑らかに見えるパホエホエ溶岩の上でも足元をよく見ると砂ではなく、写真のような細かく鋭い溶岩のカケラの集合体なのです。お子さん用の軍手もあれば、さらに安心です。子供用の軍手はお芋掘りのシーズン(10月頃)によく見かけますが、店によっては通年で扱っています。

アップダウンについてですが、火口に下ったり上ったりするため避けられません。反時計回りに歩くのがいいかな。火口に下りる時には急な坂道が続くのですが、時計回りで歩くと、ここを上ることになってしまいます。小さな子供にはきつそうです。
火口を横断すると今度は上り坂。この坂は長いけれど、なだらかなので息がきれるほどではありませんでした。というのが反時計回りをお勧めする理由です。また虫の心配ですが、標高が高いせいかハワイ火山国立公園内のトレイルでは今まで蚊を見たり刺されたことは一度もありません。気温も高くならないので快適なハイキングが楽しめます。

■参考
→旅行記(3歳子連れ) 2005年7月25日 『キラウエア イキを歩こう』
→ハワイ島 キラウエア火山の観光ガイド
→ハワイ島 キラウエア火山の観光計画

◆時間の目安と見える景色◆ ※時間はストップウォッチ形式に表示します (単位は分)
0:00
キラウエア・イキ展望台に車を止めてスタート。反時計回りに歩きます。今日はとてもいい天気♪ 展望台からはカルデラや、マウナロアの稜線もくっきり見えています。
0:15
いきなり急な下り階段が出てきました。それを下り終えると歩きやすい道になります。左手はクレーター。火口を歩く人が豆粒のようです。オヒアの林が続き、カヒリジンジャーから甘い匂いが漂ってきます。ケンシン坊と木性シダの芽や大きな葉、オヘロバンブーオーキッドなども見つけました。
0:30〜1:00
ケンシン坊がいきなりお腹が空いたと言い出しました。なので展望台で景色を眺めながら早めのランチ。この展望台のところにも分岐があったので左に進みました。(トレイル地図には載っていないので、右に行く道は正規ルートではないかも)
1:15 
クレーターリム・トレイルとの分岐に出ました。スタート地点からここまでは0.7マイル(1.1km)。標識があり、左(キラウエアイキ方面)へ進みます。ここから下り坂が始まり、足場の悪い箇所が出てきます。この後、バイロンレッジトレイルとの分岐は左へ(キラウエアイキ0.2の標識あり)。シュウメイギクの群生がキレイでした。
1:40
さらにもう一度バイロンレッジトレイルとの分岐が現れ、左に入ります。標識にはサーストンラバチューブ2.4の表示。スタート地点からここまでは1.1マイル(1.7km)です。そして、いよいよ火口に下ります。急な下り坂が続きます。
2:00
火口に降り立ちました!溶岩が大好きなケンシン坊が喜んでいます。この辺りのゴツゴツした溶岩はアア溶岩と呼ばれています。トレイルが分かりにくいと思われるかもしれませんが、道は右手に続きます。道しるべとなるケルン(溶岩を積み重ねたもの)を探しましょう。
2:00
同じ場所からドドーンと見えたのはプウプアイ。噴火によって出来た噴石丘です。なんとも荒々しい姿をしています。いかにもキラウエアという感じです。少し進むと大きな穴も見えてきました。
2:10
しばらくアア溶岩の中を進みます。今日は強い風がゴーゴー吹いていて帽子が飛ばされそうなぐらい。空を見上げると白い鳥が行ったり来たりしています。何人ものハイカーと挨拶を交わしながら進みました。
2:30
足元は滑らかなパホエホエ溶岩になりました。火口の溶岩の大部分を、このパホエホエ溶岩が占めています。こんな何もなさそうな真っ黒な大地にも生命は育まれていました。オヒアやシダ、オヘロなどです。
2:50
左右にポッコリと溶岩の隆起があって、そこからは白っぽい火山ガスが出ていました。火口の中に吹く冷たい風と、火山ガスの熱風が入り混じります。火山ガスは幼児には良くないと聞くので、この近辺だけは足早に通り過ぎました。
3:35
火口はここで終わり、土のトレイルが姿を現します。振り返ると今歩いてきた道が正面に一筋、光っています。火口で1時間半も遊んでしまいました(笑) 一番上にあるオヒアの写真は、この少し手前で撮ったものです。
4:00
つづら折りの坂が続きます。でも緩やかなのでケンシン坊と歌を歌ったり、電車ごっこをして遊びながら上りました。溶岩の割れ目から冷気がヒューヒュー出ている所を見つけました。気持ちいい〜。途中のベンチでちょっと休憩しました。
4:45〜5:00
サーストン・ラバ・チューブの駐車場に着きました。スタートからここまでは3.5マイル(5.6km)です。またしばらく休憩して元気復活! 駐車場のフェンス伝いに歩き、クレーター・リム・トレイルに入ります。イキの展望台まではあと0.8km、がんばれー。
5:15
最後の一区間にもお楽しみは残されていました。展望台が3箇所設けられていて、今歩いてきたばかりの火口を眺めることができます。う〜ん、感慨深いです。夕方になって太陽が傾いてきたので陰影ができ、さらにいい感じ。
5:25
展望台からは火口からガスが上がっている所も見えました。さっき歩いていた火口の地下には、まだ真っ赤なマグマがあるそうです。
5:35
キラウエア・イキ展望台の駐車場に着きました。ゴール!! 5時間35分の長いお散歩でした。ケンシン坊は完歩です。よく頑張ったぞ♪
◆このトレイルで見つけた植物 (7月に咲いていたもの) 
カヒリ・ジンジャー(和名はなし)
ショウガ科の外来種で、草丈は1.5〜2.5mにもなります。トレイルの前半、火口の上を歩いている時に、群生している姿をよく目にしました。花もきれいでとても良い香りがしますが、繁殖力が高すぎて固有種を脅かす存在となっているようです。
バンブー・オーキッド(和名:ナリヤラン)
ラン科の外来種。こちらもトレイル前半の火口の上を歩いている時に見つけました。花は多くはなかったけれど、葉は沢山あったので群生していたのだと思います。薄いピンクの可愛らしい花です。ボルケーノのスチームベント周辺でも見かけました。
ジャパニーズ・アネモネ(和名:シュウメイギク)
キンポウゲ科の外来種。草丈1.5mぐらいのものもあります。バイロンレッジトレイルとの分岐辺りから火口に下った辺りまでいくつもの群生があり、真っ白な花が辺り一面に咲いていてとてもキレイでした。花が終わるとボンボンのような玉になって、それがやがて綿毛を飛ばします。
オヘロ(和名はなし)
ツツジ科のハワイ固有種。溶岩大地に初めて芽を出す植物の1つ。火口の中でいくつも見ることが出来ます。赤い実は生食できて美味しいらしいのですが、よく似たアキアという実(猛毒)と間違えやすいため、食べない方が無難だそうですよ。
他にもハープ・ウ(木性シダ)の群落、オヒアレフア(ページ上部の写真)、キノコもありました。
[2000年2月、2005年7月、2007年1月、2008年7月、2009年8月]


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