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ハワイ島のハイキング/ グリーンサンドビーチ

■難易度 ★ ★ ★ ☆ ☆
■往復 6.0マイル (約10km)
■所要時間  2時間30分 /幼児連れ(4歳)4時間40分 (ビーチの滞在時間40分を含む)
■幼児連れハイキング △〜○ 下記参照
■出発地点
島の最南端。11号線を走り、サウスポイント・ロードに入ります(道路脇に立つマイルマーカーは70〜69の間・緑の道路標識が出ます)。なお、サウスポイント・ロードの走行はレンタカーの補償対象外なので全て自己責任です。 道なりに進むと風力発電が見えてきます。ここまでは舗装もしっかりしています。風力発電を過ぎると道の状態は急に簡易舗装のように悪くなりますが、普通車でも問題なく走れます。しばらく進んだ先にあるY字の交差点を左折し、少し行くと駐車場です。

抹茶色の砂浜と透き通った青い海、最高の眺めです!

グリーンサンドビーチへのハイキングは広大な草原と海の眺望が最高で、開放感いっぱいです。人と車でゴミゴミとした日本とはかけ離れた別世界がそこにはあります。私たちが歩いた3月はイリマの黄色の花が一面に咲いていて、花畑の中を歩いているかのような場所もありました。そして頑張って歩いた最後にグリーンサンドビーチを見下ろした時の感激は忘れられません。周囲は険しい崖に囲まれていますが、ビーチまで降りることができます。そこには名前の通り、緑の砂が広がっています。この砂の元の姿はカンラン石。暗い緑色をしています。溶岩の成分の1つで、ボルケーノに行くと溶岩に含まれたままの姿をよく見かけます。


イリマが花畑のように続きます

沢山の緑の砂が混ざっています

すごい傾斜の壁。この辺りが一番緑っぽい

抹茶色の砂と崖は自然の造形


このトレイルは距離は長いけれど(往復10km)、ジープロードなので歩きやすいです。起伏もあまりなく、あってもごく緩やかで息が切れるほどではありません。
地元の方は4WDやバギーでどんどん走って行きます。ハイキング本によれば関係者以外は車の通行は出来ないそうなんですが、規則が変わったのかな。もし車の通行がOKだったとしても、私たち旅行者がレンタカーで走ろうとするのはちょっと無謀。雨の後には写真のようなドロドロの水溜りがあちこちにあり、轍(わだち)も深いので深刻な状況を招きかねません。やはり歩くのが一番です。

景色は申し分ないんですが、どこまで歩いても同じような場所が続くので自分たちがどの辺りまで進んだのかということがよく分かりません。おまけに途中から道があちこちで分岐します。とりあえずどの道を進んでも海に沿っていれば後で合流できるそうですが、選んだコースによっては距離も多少変わってきそうです。目印となるものがないので、下のレポートで紹介している道も「この道です」と地図上でハッキリ言えません。目標となるのはグリーンサンドビーチの崖です。ある程度歩くと、その片鱗が見えてきます。ひたすらそれに向かって歩くのみです。

→上空から見た分岐の多いジープロード(Google Maps)
→上空から見たグリーンサンドビーチ(Google Maps)

ビーチを見下ろす崖の上に着いたら来た人にしか味わえない絶景をたっぷり楽しみましょう♪ 
降り口は左下の小さい写真の矢印の辺り。白い線のようなルートで降りたと思いますが、曖昧です。すみません。足元の砂にはなんとなく踏み跡が残っています。今にも崩れだしそうに見えるこの壁は意外に堅く、足を掛けて歩く場所が簡単に探せました。降り始めてすぐの所に短いはしごも掛けられています。
最初に見た時は、その高さと傾斜のきつさに「本当に降りられるの?」と思いましたが、想像していたよりも簡単に降りることができました。

このトレイルを歩く上で気をつけたいことの1つは強風です。風力発電があったり、樹木が上へ向かって成長できないのは、日常的に強い風が吹いている証拠でしょう。その風にあおられてジープロードの赤土が舞ってきます。これが目に入って痛いので、コンタクトは不向き。顔にフィットするスポーツ系のサングラスがあると歩きやすいです。帽子は帽子留めをつけるか、サーフハットのようにあごにヒモのついたものが飛ばされないので安心。また、カメラを首から下げながら歩いていたのですが、あまりにも土ぼこりがひどいのでタオルをかけました(精密機械は砂やホコリに弱い)。おすすめは水中カメラですね。高価な一眼レフなどは防塵仕様でもない限り、もってのほかです。
そんな状態なので帰ってくる頃には頭の中から足の先まで全身が赤土まみれで、とんでもなく汚れてしまいます。近くには水道がないので、顔や体を拭くための濡れたタオルやウエットティッシュがあると役立ちます。帰りにどこかに寄ろうと考えている方は、着替えや靴の替えも用意されると良いかもしれませんね。


風力発電はまた更に増えるそう

強風のせいで真っ直ぐ成長できない木

それから、食べ物と飲み物は充分に用意していってください。サウスポイントロードに入ってからは、店や自販機、そしてトイレがありません。トレイルは全く日陰がないため、思った以上に体力を消耗すると思います。距離も長いので、特に飲み物は多めに持っていくことをお勧めします。ヒロ方面から来た私たちはパハラの旧TEXドライブインでランチや水を調達しました。トイレはヒロ方面から来る場合はナアレフのプナルウ・ベイクショップ(多分64マイルマーカー付近)、コナ方面からは知っている限りではマヌカ・ステートパーク(81マイルマーカー付近)にあります。(コナから南周りで通った経験は少ないので、もっと近い場所があるかもしれません)

ビーチの周辺には2箇所、左のようなメッセージが貼られています。マハナ・ベイとはグリーンサンドビーチがある湾のことです。砂を持ち帰ったり、壁に落書きをしないで下さいという、ローカルからのお願いでした。みんなの宝です。マナーを守りましょう。


子供と一緒に歩く

初めて歩いたのは4歳4ヶ月の時。距離が長いので、正直言ってここを歩かせるには勇気が要りました。しかしトレイル自体は起伏もあまりなく、未舗装の大変歩きやすい道です。平地を長距離歩ける体力があれば幼児でもOKではないでしょうか。ケンシン坊も完歩できました。

歩く格好は半袖+短パンで十分だと思いましたが(3月下旬・天候は曇り)、うちの子の場合は転んで血が出るとアウトなので七分丈のパンツを履かせました。風が強すぎる時は砂が足に当たって痛いので長いパンツがおすすめ。
木陰がないので帽子と日焼け止めは必須、食料と飲み物のほかに、元気を出すためのおやつなども十分用意されたほうがいいと思います。土ぼこりがひどいので手を拭くウエットティッシュ類があると何かと便利。
休憩を取りたいと言った時には十分取らせました。そのため、目安の時間よりも1.5倍はかかっています。1日かけて歩くようなつもりで時間にゆとりを持って出発すれば、休憩を取りながらでも焦ることなく歩かせられそうです。

ケンシン坊はお花を探したり、ジープロードを線路やサーキットに見立てて電車やレーシングカーになって進んだり、楽しそうでした。歩くには道の状態も良く危険が少ないので、親の私たちが余分なことに神経をとがらす必要がないという点ではラク。時々走ってくる車を避けるぐらいかな。

ビーチでは砂遊びができます。風が強くて目に砂が入るので子供にもサングラスがあると安心です。スイミングのゴーグルでも良さそう。グリーンサンドで砂遊びなんて、ちょっと贅沢な気分です。

このコースでの一番の難関は崖の上とビーチを結ぶアクセスです。滑らないように一歩づつ注意しながら進みます。足を掛ける(置く)位置はほぼ決まっていて、そこに足を乗せて進むといった感じ。ただ、お子さんによっては怖がるかもしれません。上る時より下る時の方が緊張しますが、大人の間に挟むような順番でゆっくり下りたので大丈夫でした。
ビーチではローカルたちが泳いでいましたが、ハイキングの本には引き潮が強いため泳がないほうが良いと書かれています。

■参考
→旅行記 2006年3月26日 『グリーンサンドビーチに挑戦』 (子供:4歳4ヶ月)
→旅行記 2006年12月30日 『グリーンサンドビーチで遊ぼう』 (子供:5歳1ヶ月)
→参考書籍 ハワイ・トレッキング―自然とふれあう54コース

◆時間の目安と見える景色◆ 
▼ サウスポイント・ロードの様子 ▼
風力発電
11号線からサウスポイント・ロードへ入り、約10分走ると風力発電に着きました。この間の道路は舗装状態も良好で走りやすいです。
風力発電から先の景色
風力発電を過ぎると、舗装はされてはいますが古いガタガタ道になります。それでも普通車で十分走れますから大丈夫。車1台が楽に走れる幅があり、対向車が来たとしても避けるスペースは十分あります。この辺りは気持ちが良いほど真っ直ぐな道ですね。周囲は牧場かな。
カラエの標識
さらに進むとKALAEというサインが出てきました。サウスポイントがある場所はカラエ岬と言います。この先で道が分岐するので、トレイルに行くには左に折れます。サウスポイント・ロードに入ってから駐車場に着くまでの所要は35分でした。(所々止まって写真を撮った時間も含めて)
▼ ここからトレイル ▼  時間はストップウォッチ形式に表示します (単位は分)
※このトレイルは途中で色々な分岐があり、歩かれるルートによって下の写真とは異なる景色になります。なお、出発地点の駐車場と崖の上〜ビーチの写真(1:31〜2:38の6枚)はどのコースを通っても同じだと思います。
0:00
Green Sand Parking と書かれた赤土の駐車場に車を止めました。5ドル徴収されるという話を聞いたことがあったのですが、今日はそういう人はいません。天気が曇りなのが残念ですが、歩くにはこのぐらいがちょうどいいかも(負け惜しみ)
0:16
4WDが何台も止まっている場所があり、何かな?と思っていたら小さな入り江がありました。船を引き上げている人たちがいます。この辺りは魚釣りの大人気スポットらしいので、釣りをしている人をよく見かけます。この船も釣りに行っていたのかな。
0:29
じゃり道を経て、海岸線を歩いています。何もない広い草地が地平線まで続いているという風景は、気分がいいですね。約30分歩いたので、「グリーンサンドビーチはどこなのかなあ」と心の底で考え出した頃。向かい風が強くて大変です。
0:41
道があちこちに分岐しています。結局の所どの道を通っても良いそうなんですが、選択を間違えると湖と化した水溜りを超えていかないといけなかったりします。晴れていれば、そんなこともないでしょうけど。
0:48
海岸線に1台また車が止まっています。そのちょっと先には釣竿を出している人がいました。ゴツゴツの溶岩の間に挟まれながらという感じでしたが、釣果はあったのかな。
0:49
草原にはイリマの黄色い花が一面に咲いていました。他にも白いポンポンのような花など小さな花が沢山あり、トレイルを彩っていました。こういう道、大好きです。ごく緩やかな坂道をのんびり上っています。曇っていても風が強くても、やっぱり暑いなあ。
1:03
この辺りは緑が一層濃くてきれいです。
1時間歩きました。「今どの辺りを歩いているんだろう?」と少し心配になってきました…。目印がなさすぎて分かりません。今何km歩いたのか、あと何km歩けばいいのか、これがつかめないと結構しんどい感じがしますね。
1:10
それから数分後、ビーチのある崖が見えました!でも遥か向こうに、です。大人3人で相談しました。この先、ケンシン坊が歩けるのかどうか…。本人は歩く気マンマンです。帰りが心配ですがそうなったら仕方ない、私が背負いましょう。
1:35
さらに歩くこと25分、とうとうビーチを見渡せる崖の上までやってきました。なんてキレイなんでしょう!ガイドブックで見たあの景色が目の前に広がっています。なかなか来ることが出来ない場所に来れたということも、感動をさらに大きいものにさせてくれます!
1:42
今日は日曜で人の往来もわりと多かったので、降り口はすぐに分かりました。目印がないので、誰もいなかったら多分悩んだことでしょう。最初に立った崖の上からかなり回り込んだ辺りから降ります。
1:48
今まさに降りるというところです。ビーチからの高さがかなりあるので、怖いと思う人もいるでしょうね。でも思ったよりもラクに降りることができましたよ。5分ほどでビーチに到着です。
1:55〜2:35
ビーチに着きました!やったね!!
最初にやることは緑の砂を触ること。これはきっとみんな一緒でしょう(笑) 100%緑の砂というわけではなく、黒っぽい砂や白い砂に緑の砂が混じっています。でもその緑の含有率がすごく高いんですよ。ビーチは数組のローカルが遊びに来ていました。誰もいないビーチもいいけど、何かあった時は助け合えるのでそういう面では安心ですね。
2:36
到着が遅かったので、ビーチ滞在はたったの40分。寂しいけどもう帰る時間です。帰りは崖を上るのでケンシン坊が先頭で行きました。こんな感じの壁を登っていきます。一歩一歩、「今度はそこに足を置いて〜」と父がアドバイス。
2:38
あともう少しで上に着くぞ〜というところにハシゴが置かれています。ハシゴがあるのはここ1箇所だけです。そして崖の上に到着。
3:06 →4:40駐車場着
行きと同じコースを戻ってきたつもりなのに、進んでみると違う道でした。こちらは少し内陸のコースかもしれません。
ビーチを出発して約2時間後、駐車場に到着しました。ケンシン坊は完歩です。よく頑張ったね!
[2006年3月、12月]



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